無理な食事制限や運動は一切不要!毎日の腸活で痩せやすく、太りにくい体をつくる5つのコツ
みなさんの中でも日々ダイエットに取り組んでいる方は多いと思います。
市場調査サービス『アイリサーチ』が20歳〜69歳までの男女1000人を対象に行った「肥満に関する調査」によると70%の方が何らかのダイエットを行ったことがあるんだそうです。
また、年々ダイエットを行う方は増加傾向にあり、2015年はデトックスウォーターなどのダイエット法が流行しました。
このように近年は毎年いくつもの新しいダイエット法が生まれ、流行しています。
なぜ肥満大国ではないこの日本で、このような傾向が見られるようになったのでしょうか?
その背景は日本の肥満人口の増加にあります。
平成25年に厚生労働省により行われた「国民健康・栄養調査」によると、成人男性の約28.6%、女性の約20.3%は肥満であり、それは年々増加傾向にあるそうです。
肥満は大きく分けると「食べ過ぎ」「運動不足」が原因で起こります。
そのため人は食事制限や運動を行うことでダイエットを試みます。
しかし「いくら食事制限をしても、運動を続けてもなかなかダイエット効果がでない」「ダイエットを試したが辛くて挫折してしまった」という方は多いのではないでしょうか?
実は、それは体質の違いによるものなのです。
同じダイエット法、同じダイエット量でも「痩せやすい体質の人」「痩せにくい体質の人」が存在します。
また同様に、同じ食事量、同じ運動量でも「太りやすい体質の人」「太りにくい体質の人」が存在します。
一体この体質の違いは何によって決まるのでしょうか?
実は、この体質の違いは腸内環境によって決まっていたのです。
近年の研究により、肥満の原因は「食べ過ぎ」「運動不足」の他に「腸内環境」にあるということが分かってきたのです。
つまり、2015年デトックスウォーターと共に流行した『腸活』で腸内環境を変えることで「痩せやすく、太りにくい体質」に変えることができるということが分かってきたのです。
今回は「どんな『腸活』をすれば痩せやすく、太りにくい体質になれるのか?」それをご紹介しましょう。
参考元:アイリサーチ「肥満に関する調査」より
参考元:厚生労働省「平成25年度国民栄養・健康調査」より
なぜ『腸活』で痩せやすく、太りにくい体になるのか?
近年肥満の新たな原因としてピックアップされているのが腸内環境です。
なぜ『腸活』で「腸内環境」を変えると、「痩せやすく、太りにくい体質」になるのでしょうか?
それには腸内に住む腸内細菌が深く関係しています。
腸には神経細胞が多く存在していると言われています。
その数はおよそ1億個以上とされており、体の中で脳の次に神経細胞があることが分かっています。
そのため、私たちが腸に「今ご飯を食べたから消化しろ」と念じなくても、腸は独自で判断して私たちが食べた食物を消化・吸収することができるのです。
これが腸が第2の脳と言われる所以でもあります。
ものを食べた後に、胃と腸で消化し、吸収することによって人は生きていくことができます。
また、痩せたり太ったりするのもこの働きがあるが故です。
そのため、腸内環境が悪くなってしまうと当然のように、この消化・吸収の機能が低下してしまいます。
その結果腸内フローラと呼ばれる、腸内細菌が作り出した独自の生態系のバランスが崩れ、便秘や消化不良を引き起こすだけでなく、痩せにくく、太りやすい体質を作り出してしまうのです。
腸内フローラって一体何?
先ほどご紹介したように腸内には腸内細菌が多く住んでいます。
腸内フローラとは、100兆個以上いると言われている腸内細菌が独自で作り出した生態系です。
皆さんも聞き覚えのある、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の腸内細菌がバランスを保って私たちの腸内で活動しています。
善玉菌はヨーグルトなどに多く含まれる乳酸菌やビフィズス菌など、私たちの体にとっていい働きをする菌です。
この菌は私たちの体に悪影響を与える悪玉菌の発生を抑え、腸内の環境を整えてくれます。
一方、悪玉菌は緑膿菌や大腸菌、ブドウ球菌など、私たちの体に悪影響を与える菌です。
お腹が痛くなったり、便やおならが異常に臭い時などは、悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなっている可能性が高いといえるでしょう。
しかし、この悪玉菌も腸内フローラの中には必要な存在なのです。
なぜなら、自分よりも体に悪い病原菌が腸内に侵入してしまった時に、それを退治しようとする悪玉菌もいるからです。
そのため、善玉菌はもちろんのこと、悪玉菌も腸内に必要な存在なのです。
また、善玉菌が優勢の時は善玉菌の味方を、悪玉菌が優勢の時には悪玉菌の味方をするお調子者の菌が日和見菌です。
腸内フローラの中で日和見菌が一番多く存在しており、状況に応じて善玉菌側にも、悪玉菌側にもついてしまうため、数のコントロールがしづらい菌と言えるでしょう。
この3種類の菌が形成する生態系が腸内フローラであり、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7のバランスで存在するのが理想とされています。
このバランスが崩れることで腸内環境は悪化し、痩せにくく、太りやすい体質、いわゆる肥満フローラを形成してしまうのです。
科学的にも立証されている腸内フローラとダイエットの関係
近年では、多くの研究所で腸内フローラとダイエットについての関係性が多くの実験によって立証されてきています。
アメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載された論文によると、肥満の人の腸内フローラを持つ無菌マウスと痩せている人の腸内フローラを持つ無菌マウスを1ヶ月同じ量のエサと運動量で育てると、肥満の人の腸内フローラを持つマウスの方がより太ってしまったと言います。
また、マウスだけでなく2015年にアメリカの研究グループが、肥満の人の腸内細菌を移植された人が太ってしまったとい現象を発見しています。
このように、腸内フローラが痩せ体質か、肥満体質かどうかに大きく関係していることが分かってきたのです。
痩せ体質と肥満体質の腸内フローラの違いとは?
痩せやすく、太りにくい、痩せ体質の人と、痩せにくく、太りやすい、肥満体質の人の腸内フローラは一体何が違うのでしょうか?
実は肥満体質の腸内フローラにはバクテロイデスという種類の日和見菌が痩せ体質の人に比べて極端に少ないことが分かっています。
このバクテロイデスが腸内で作り出す短鎖脂肪酸という物質に肥満を抑制する効果があるのです。
短鎖脂肪酸は酢酸、酪酸、プロピオン酸の総称であり、別名「天然の痩せ薬」「肥満コントロール物質」と呼ばれています。
肥満は私たちの体内の脂肪細胞が暴走し血液中の栄養分を取り込み続け、肥大化していくことによって起こります。
この脂肪細胞の暴走を抑えてくれるのが短鎖脂肪酸です。
脂肪細胞はこの短鎖脂肪酸を察知すると、血液中から栄養分の取り込みを止めます。
また短鎖脂肪酸は私たちの交感神経に働きかけ、全身の代謝を向上させてくれます。
その結果、脂肪細胞は血液中の余分な栄養分の取り込みを止め、代謝の向上によりそれらが燃焼する方向に働き、肥満化を抑制してくれるのです。
このように痩せ体質と肥満体質の腸内フローラの違いは、この短鎖脂肪酸を作る菌が存在するか、しないかの違いなのです。
あなたの腸内フローラは痩せ体質? それとも肥満体質?
では、あなたの腸内フローラは一体痩せ体質、肥満体質どちらでしょうか?
簡単なセルフチェックがありますので、ぜひやってみてください。
次の20項目の中で、ご自身に該当するものをチェックしてみてください。
- 朝、昼、夜のご飯を取る時間は、毎日あまり変わらない
- 肉よりも魚を食べることが多い
- ヨーグルトなど腸内環境を良くするものをよく食べる
- 野菜を毎日必ず食べるようにしている
- 毎日規則正しい生活リズムを心がけている方だ
- 日頃ストレスをあまり感じない
- 体を動かす習慣がある
- シャワーではなく、毎日お風呂につかる
- 就寝前2時間はものを食べないように心がけている
- タバコは吸わない
- 肌はあまり荒れない方だ
- 寝付きと目覚めがよい
- 風邪をあまりひかない方だ
- どちらかといえば年齢より若く見られることが多い
- 2日に1回は必ずお通じがくる
- お通じにかかる時間が短い方だと思う
- 下痢などお腹を壊す事があまりない
- 便やおならはあまり臭くない方だ
- 便の色はどちらかといえば茶褐色というより黄土色だ
- 便の形はバナナ形であることが多い
該当する項目が
15個以上:痩せフローラ
10個以上〜14個:ちょい痩せフローラ
5個以上〜9個:ちょい肥満フローラ
0個〜4個:肥満フローラ
腸内フローラを痩せフローラに変えるための5つのコツ
人はお母さんの腸内細菌を貰って生まれてきます。
そのため赤ちゃんにはお母さんと同じ腸内フローラが形成されます。
しかし、腸内フローラはその人のライフスタイルによって変わるものなのです。
よく「肥満家系」「肥満は遺伝する」と言われます。
確かに腸内フローラは遺伝しますが、それは生まれたばかりの時だけであって、実際はその人の食生活などライフスタイル次第で変えることが可能なのです。
ですから「両親が肥満だから、ダイエットしてもあまり効果がでないのは遺伝のせいだ」と思っても、落ち込む必要はありません。
あなたのライフスタイルを変えれば、肥満フローラを痩せフローラに変えることができるのです。
では、一体どのように変えればいいのでしょうか?
ここでは痩せフローラになるための5つのコツをご紹介しましょう。
コツ1:食物繊維を多くとる
腸内フローラを痩せフローラに変えるためには、腸内の環境をよくする必要があります。
そのためには腸内の環境を整えてくれる食物繊維を多く取らなければなりません。
食物繊維を取ってくださいと言われたら真っ先に思い浮かぶのは何でしょうか?
おそらくキャベツやレタスなど葉もの野菜だと思います。
しかし、そればかり食べていてはいけません。
実は、食物繊維は2種類存在するのです。
1つがキャベツやレタスなどに含まれる不溶性食物繊維、そしてもう1つが海藻やバナナ、アボガドなどに多く含まれるのが水溶性食物繊維です。
その違いはその名の通り水に溶けやすいか、溶けにくいかです。
この不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1の割合で取るように心がけましょう。
「食物繊維を取っているはずなのに、便が上手く出ない」という方は、不溶性食物繊維を偏って取ってしまっている可能性があります。
不溶性食物繊維は便を硬くする働きがあり、これによってバナナ型のきれいな便が形成されます。
そして水溶性食物繊維には便を柔らかくする働きがあり、これによってバナナ型の便が柔らかくなります。
これらがバランスよく働いて初めて、少し湿ったバナナ型の便が出るのです。
実際に、水溶性食物繊維は不溶性食物繊維に比べて、意識しないと食べないような食材に多く含まれていますから、ちょっと大げさなくらいにそれらを食べた方がいいでしょう。
コツ2:肉を食べ過ぎない
肉に含まれる動物性タンパク質は悪玉菌の好物であり、食べ過ぎると悪玉菌を増やしてしまいます。
悪玉菌が増えて腸内フローラのバランスを乱してしまい、肥満フローラに変わっていってしまいます。
米食中心であった日本と違って、肉中心の食生活を送っている欧米に肥満が多いのは、そのためです。
腸内フローラはその人の食生活によって大きく変わってくるので、肉は1日1回以上は食べないように心がけましょう。
糖質制限ダイエットを実践している方は、米の代わりにタンパク質や脂質を多くとっていると思いますので注意が必要です。
さらに、肉好きな女性についても注意が必要です。
女性は男性に比べて筋力が少なく、ホルモンの影響もあり、腸内環境が悪化しやすいと言えます。
そのため、女性が慢性的に抱えている便秘を悪化させる原因の一つとなりかねないため、いくら肉が好きだからといって食べ過ぎには男性以上に十分注意しましょう。
肉を食べるのであれば、牛肉などよりも鶏肉、魚類などがオススメです。
コツ3:幅広い種類の食品をとる
腸内細菌にはかなりの種類があり、それぞれ違うものをエサとしています。
色々な腸内細菌のエサを取り入れ、腸内フローラを豊かにするために、様々な種類の食品を取ることが大切です。
現にこんな調査結果があります。
厚生労働省が行った「国民栄養・健康調査」によれば、全国肥満1位の沖縄県ではハンバーガー、丼ものなど単食の習慣が、また肥満の少ない長野県では野菜を中心に多食の習慣が根付いているのだそうです。
この結果からも腸内フローラを豊かにするために、多くの種類の食品を取る多食習慣を身につけるように心がけていきましょう。
よく健康番組などで「1日20品目を目標に」などと専門家が言っていますが、あれは健康だけでなくダイエットにも効果的なことだったのです。
コツ4:魚介類は加熱だけでなく生でも食べる
生の魚介類には多くの菌がついているため、それをエサにしている腸内細菌もいます。
加熱してしまうとその菌が死滅してしまうため、たまには生で食べてあげた方が腸内フローラにとっていい影響があると言えます。
幅広い種類の食事を取るだけではなく、調理法も加熱と生でバランスよく食べることが大切なのです。
コツ5:自律神経によい規則正しい生活を送る
腸は自律神経によってコントロールされています。
そのため、自律神経によい生活を送ることは、腸内環境を整える上で大切なのです。
では自律神経によい生活とは具体的にどんな生活なのでしょうか?
それは「規則正しい朝方の生活」です。
自律神経には活発に行動する際に働く「交感神経」とリラックスする際に働く「副交感神経」があります。
朝になると「副交感神経」から「交換神経」に変わりはじめ、日中から夜にかけて「副交感神経」へと切り替わっていきます。
これが基本的なリズムです。
この切り替えがしっかりと行われることが自律神経を正常に保つために重要なのです。
「副交感神経」から「交換神経」に切り替えるために有効とされているのが、朝日を浴びることと、朝食を食べることです。
この二つを心がけるためには規則正しい朝方の生活でなければならないのです。
腸活で痩せやすく太りにくい体に
ダイエットの効果を決めているのが腸内細菌によって作られた生態系『腸内フローラ』だったなんて驚きですよね。
今全世界でこの腸内フローラの研究が何千億円という規模で進められており、今後また新しい研究結果が出てくるかもしれません。
しかし、ダイエットに腸内フローラが大きく関わっているということは科学でも立証されていることですし、さらには腸内環境を良くすることはダイエットだけでなく免疫力向上など健康にもいいと言われています。
皆さんもぜひ『腸活』で痩せやすく、太りにくい体、そして健康な体を作ってみてはいかがでしょうか?