そのむくみ対策は十分ですか? 悩む前に知っておきたい足と顔のむくみ解消法
仕事帰りに足がむくんで靴下が皮膚に食い込んだり、靴が入りにくかったなんて経験はありませんか?
また、朝起きると顔が腫れたようにパンパンになっていた、なんて経験はありませんか?
長時間の立ち仕事やデスクワークでストレスも溜まりやすい現代社会で、足や顔のむくみに悩んでいる女性は多いと思います。
エスエス製薬株式会社が20〜50代女性10000人に対して行った調査によれば、実に50.8%もの方が足のむくみを経験したことがあるのだそうです。
さらには過去1年間で足のむくみを経験した1000人に対して行った調査によると、おおよそ9割の方が「マッサージをする」「バスタブにつかる」「足を軽く動かす」など何らかのむくみ解消法を実践しているにも関わらず、そのむくみ対策の効果に満足していない人の割合はおおよそ6割にもなるそうです。
参考元:株式会社エスエス製薬「足にむくみのある全国の女性1,000人に聞いた足のむくみに関する実態調査」より
また、オルビス株式会社が20〜30代女性500人に対して行ったフェイシャルケアに関する調査によると、おおよそ56%の女性が起床後の顔のむくみが気になっているのだそうです。
さらに、そのうちおおよそ1割程度しか、きちんとした対策が出来ていないのだといいます。
参考元:オルビス株式会社「フェイシャルケアに関する調査」より
このように、むくみを多くの女性が感じていても、きちんと対策できていなかったり、対策をしていても効果が感じられなかったりと、悩んでいる方が多いということが分かります。
今回はそんな悩めるあなたが今日から実践できる正しいむくみ解消法をご紹介します。
そもそもむくみってなぜ起こるの?
皆さんはなぜ、仕事終わりに足がむくんだり、朝起きたら顔がむくんだりするのか、その原因を知っていますか?
敵を倒すためには、敵を知る事が大切です。
むくみ解消法をご紹介する前に、まずはむくみの原因から学んでいきましょう。
むくみは体を巡る水分が溜まることで起こる
むくみは細胞間質と呼ばれる、体の細胞と細胞の間に水分がたまることで起こります。
私たちの体の中には血液が循環しています。
この血液が体中に酸素や水分、そして栄養分を送ることで私たちの体は保たれているのです。
これらの供給と同時に、老廃物を含んだ水分の80%程度が静脈血に、20%程度がリンパ液に再び取り込まれて体中を再び巡ります。
このようにして私たちの体は、体中に新鮮な水分を供給し、汚くなった水分を排泄して、体を綺麗に保つ事が出来ているのです。
この静脈血とリンパ液が流れにくくなり、老廃物を含んだ水分が溜まってしまうことでむくみは起こってしまうのです。
また、私たちが普段食べたり飲んだりしているものやストレス、疲労、寝不足などによって、ある部分に水分が溜まってしまうことでもむくみは起こってしまいます。
参考元:スキンケア大学医師監修記事より
参考元:エスエス製薬株式会社「足のむくみに関する実態調査」より
具体的にどんな行動がむくみの原因となってしまうのか?
むくみは体のある部分に水分が溜まってしまった状態ですから、私たちの生活の中の様々な行動がむくみの原因となります。
例えば下の①〜⑨のような行動です。
①長時間同じ体勢をとる
デスクワークなどで1時間以上同じ体勢を取っていると、血行が悪くなってしまいます。
そのため静脈血やリンパ液の流れが滞り、溜まってしまいむくんでしまうのです。
参考元:ライオン株式会社Lidea『ココロもからだもスッキリしたい!「むくみ」の原因と対策』より
②塩分の取り過ぎ
一般的に塩化ナトリウムの事を塩分と呼びます。
このナトリウムには水分を溜め込む性質があります。
よくスポーツドリンクなど水分補給に特化した飲み物に塩分が入っているのはこの性質を利用しているからです。
しかし、この塩分を取りすぎてしまう事で体内のナトリウム濃度が上昇してしまい、ナトリウムとそれに溜め込まれる水分の量が多くなってしまいます。
その結果、むくみを起こしてしまいます。
③新陳代謝の低下
体が冷えてしまったり、運動不足で体がなまってしまったり、また筋肉のコリなどが原因で血行が悪くなってしまうと新陳代謝が低下します。
新陳代謝とは、古い細胞から新しい細胞に生まれ変わることを言います。
常に新鮮な血液で酸素や栄養分を細胞に送ることで、この新陳代謝は活性化しますから、血行が悪くなってしまうとこれが低下してしまうのです。
この新陳代謝の低下によって、老廃物を含んだ水分を排泄する機能も落ちてしまうため、むくみやすくなってしまいます。
参考元:有楽町美容外科クリニックより
④アルコールの摂取
アルコールを摂取することで、血中アルコール濃度が上昇します。
そのため、血管が膨張して静脈血やリンパ液の水分が滞ってしまいます。
その結果むくみやすくなってしまうのです。
水分は高いところから低いところに向かって流れていきますから、前日にアルコールを飲み過ぎてしまうと、寝ている時に顔に水分がたまって顔のむくみの原因になってしまうのです。
参考元:南東北病院グループHP「気になるむくみ(浮腫)の原因」より
⑤女性ホルモンによる影響
月経時には女性ホルモンの分泌量が多くなります。
そのため、血管が膨張して静脈血やリンパ液の水分が滞ってしまうのです。
結果としてむくみに繋がってしまいます。
⑥不摂生や疲労、人間関係などからくる精神的ストレスの影響
睡眠不足や、オーバーワーク、そして人間関係などに悩み精神的にストレスを抱えてしまうと、体をコントロールする自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れることで血行が悪くなってしまい、老廃物の排泄機能が上手くいかなくなってしまうのです。
結果としてむくみに繋がってしまいます。
⑦筋肉量の低下
運動不足により、筋肉量が低下してしまうこともむくみに繋がってしまいます。
筋肉は血液の循環をサポートする役割も担っているため、筋肉量が低下してしまうことで血行が悪くなり、静脈血やリンパ液による排泄が上手く昨日しなくなってしまいます。
そのため、体内に残った余分な水分によりむくんでしまう可能性があります。
⑧病気によるむくみ
①〜⑦とは違い、病気が原因でむくんでしまう場合もあります。
例えば肝臓、腎臓や静脈不全などの体の異常によって、血液の流れが悪くなったり、排泄機能が低下したり、水分が溜まりやすくなったりします。
その結果むくんでしまうのです。
また、普通のむくみであれば時間とともに治っていくものですが、この病気によるむくみの場合は、むくみが自然に治らずに長く続きます。
そのため、1週間以上むくみが続いた場合には注意が必要です。
参考元:スキンケア大学医師監修記事「ドクターが解説!足のむくみ(浮腫み)の本当の原因」より
知っておきたい、正しいむくみ解消法とは?
先ほどご紹介したように、むくみは実に様々なことが原因となっておこります。
よく書籍や雑誌などでは、むくみ解消法としてマッサージが紹介されることが多いため、マッサージをしていれば治ると思っている方も多いのではないでしょうか?
現にエスエス製薬が行ったアンケート調査によれば、過去1年間でむくみを経験した女性1000人のうち約63.1%の方がむくみ対策としてマッサージをしているそうです。
また、37.7%の方がストレッチ、40.8%の方がお風呂につかるなどの対策をとっているそうです。
実はそういったマッサージや暖めるだけでは治らないのがむくみの厄介な所です。
では、一体これほど沢山の原因のもつむくみをどのように解消していけばいいのでしょうか?
むくみを治すためにはマッサージだけでなく、先ほどご紹介した①〜⑦のむくみに繋がる行動をしないように生活習慣を変えていくように心がけることが大切です。
ここでは、具体的にどのような解消法をしていけばいいのかをご紹介していきましょう。
長時間同じ体勢を取らない
むくまないようにするためには、長時間同じ体勢を取らないようにする事が大切です。
人間は常に重力の影響を受けていますから、血液も上から下に流れるよりも下から上に流れる方がより大きな力が必要となります。
足の筋肉は血液の循環をサポートする役割を担っているため、足を動かすことにより血液の下から上への流れをサポートしてくれます。
しかし、足を動かさなければこのサポート機能が働かずに、血液やリンパ液が滞ってしまい、老廃物を含んだ水分が足にたまってきってむくんでしまいます。
そのため、長時間のデスクワークを行うのであれば、1時間に1回は休憩を取って軽く足首を動かしたり、トイレや自動販売機まで歩いてみたりするように心がけてみましょう。
また、長時間の立ち仕事をする際も、足首を回したり、屈伸をしてみたり、また逆に一時的に座ってみたりしてみましょう。
出来れば長時間同じ体勢を取らないようにすることが好ましいのですが、どうしてもそれが難しい場合は、その体勢のまま、足を揉んだり、机の下で足を伸ばしたり、足だけでも同じ姿勢を取らないように心がけてみてください。
塩分を控えめに
塩分を取りすぎるとむくみやすくなってしまいまうことは先ほどご紹介しましたね。
そのため、食事などの塩分には気をつける様にしましょう。
減塩にはいくつかのポイントがありますのでそれをご紹介しておきます。
- インスタント食品(カップラーメンなど)は控えるようにしよう
- 居酒屋の味の濃いおつまみは控えよう
- ラーメンやそば、うどんの汁はあまり飲まないようにしよう
- 漬物や、梅干し、イカの塩辛などご飯のお供には塩分が沢山含まれているから控えるようにしよう
- スナック菓子は控えよう
- 醤油やポン酢、ソースなどは直接食べ物にかけずに小皿でつけるようにしよう
もし塩分を取りすぎてしまった時は、カリウムを多く含む食品を食べると効果的です。
なぜなら、カリウムは体内の塩分と水分を体外に尿として排出するサポートをしてくれる物質だからです。
主にわかめやひじきなど海藻類や、アボガド、きゅうりなどに多く含まれていますので、ぜひ活用してみてください。
参考元:ジャーでかんたんキレイに! デトックスウォーター(主婦の友インフォス情報社)P51
新陳代謝を上げる
血行を良くし、新陳代謝を上げることでむくまない体質へと変えていくことができます。
新陳代謝を上げるために効果的なのは適度な運動、良い姿勢、食べ物を工夫することです。
適度な運動としては1日30分のウォーキングなどが続けやすく効果が高いとされています。
しかし、中々続かないという方は会社の中を休憩中に散歩してみたり、1時間に1回会社内を歩き回ったり、駅までの道のりを歩いたり、と日常の行動の中にウォーキングを取り入れてみてください。
また、血行を良くすることで新陳代謝は上がっていきますから、良い姿勢を心がけることも効果的です。
肩こりや猫背に悩んでいる方は、下記トレーニングを行い、まずその姿勢の改善から初めてみるとよいでしょう。
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肩こり、腰痛の原因に!猫背解消に効果的な8つのストレッチとエクササイズ
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ぽっこりお腹は猫背が原因かも?!姿勢を改善して美ボディメイク!
猫背は背骨まわりの筋肉を硬直させるので、身体の中の血液循環を滞らせ、呼吸も浅くしてしまうため、基礎代謝をさげることにもなります。
使われない筋肉はどんどん脂肪にかわっていく上に、悪循環をもたらすのです。
飲み物で代謝を上げる
最後に新陳代謝を上げる食べ物や飲み物を取ることも効果的です。
例えば食べ物であれば、現代人に不足しがちな亜鉛を豊富に含むレバーや脂身の少ない牛肉、ごま、牡蠣などを取ると新陳代謝が活性化します。
また、ビタミンCを含む食品を合わせて取ることで亜鉛の吸収が促進されますから、牛鍋や牡蠣鍋などに合わせて白菜やレンコン、さつまいも、鶏肉などを加えてみるとより効果的に新陳代謝を上げることができます。
食べ物だけではなく、新陳代謝に良い飲み物を積極的に取ることも効果的です。
ここでは新陳代謝に良いデトックスウォーターのレシピを3つご紹介します。
デトックスウォーターについては、下記記事で詳しくご紹介していますので、気になる方は、是非チェックしてみてください。
今話題のデトックスウォーターダイエット! その効果を最大限に高めるレシピとは?
デトックスウォーターは誰でも簡単に作れる飲み物で、運動や仕事の合間などに飲めば新陳代謝を上げるのに効果的ですから、ぜひ試してみてくださいね。
参考元:スキンケア大学専門家監修記事「新陳代謝を高める食べ物とは」より
①新陳代謝に良い『パイナップルのデトックスウォーター』レシピ
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パイナップルには新陳代謝を促進するビタミンB1やミネラル、酵素が豊富に含まれています。
さらにはローズマリーには血管をサポートし、血行をよくする効果があり、新陳代謝を活性化することができます。
美容効果と共にむくみにくい体をサポートしてくれる飲み物ですので、ぜひ試してみてください。
②新陳代謝に良い『すいかのデトックスウォーター』レシピ
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すいかにはカリウムが豊富に含まれており、老廃物を含んだ余分な水分の排泄を促してくれる働きがあります。
また、ブルーベリーには抗酸化作用のあるビタミンEやアントシアニンが豊富に含まれていますから、新陳代謝を活性化してくれます。
運動不足や冷え性で新陳代謝が下がり気味の方にぴったりの飲み物です。
③新陳代謝に良い『レモンとキュウリのデトックスウォーター』レシピ
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きゅうりとレモンを入れただけのシンプルなデトックスウォーターです。
きゅうりにはカリウムが豊富に含まれており、体内の余分な水分の排泄を促してくれます。
さらに、レモンにはクエン酸が豊富に含まれているため、血行を良くし、内蔵機能の活性化を促進させる働きがあります。
血行を良くし、新陳代謝を上げるだけでなく、余分な水分も排泄してくれるため、シンプルですが、むくみ対策の飲み物としては効果抜群です。
きゅうりは少し臭いがきついので少なめにすることをオススメします。
参考元:ジャーでかんたんキレイに! デトックスウォーター(主婦の友インフォス情報社)P28〜33、48〜55
リンパマッサージで顔と足のリンパを流す
むくみは静脈血とリンパ液が滞ることにより起こります。
そのため血行を良くするだけではなく、リンパ液がスムーズに流れるようにしてあげることもむくみ対策としては効果的です。
動画のように、足の先からふくらはぎのあたりまでをゆっくりとさすりながらリンパ液の流れをよくしていきます。
また、起床後の顔のむくみが気になるという方は動画のように顔のリンパ液の流れを良くするとむくみがとれやすくなります。
①動画(足1)
②動画(足2)
③動画(顔1)
④動画(顔2)
参考元:株式会社エスエス製薬「足にむくみのある全国の女性1,000人に聞いた足のむくみに関する実態調査」より
参考元:「体内リンパ」ダイエット(青春出版社)P26〜28
専門医に相談する
もし1週間以上むくみが取れなかったり、むくみかたが普通でない場合は慢性静脈不全と呼ばれる病気の可能性があります。
これは静脈の逆流を防ぐ静脈弁が働かなくなってしまうために、静脈が逆流してしまう血管の病気です。
逆流が起こってしまうと、血液やリンパ液が溜まりむくんでしまいます。
血管の病気や肝臓、腎臓等の疾患が原因でおこるむくみは、普通のむくみと違い時間がたってもなかなか解消されません。
そのため、むくみがずっと続く場合には何らかの病気の可能性がありますから、専門医に相談してみましょう。
実は、むくみはそれ自体が病気であるという認識の薄さから、むくんでも放置してしまう方が多いんだそうです。
現にエスエス製薬が足にむくみのある全国の女性1000人を対象に行った調査では、「むくみの原因が静脈血にあることを知っている」割合が全体の約3割程度しかいませんでした。
参考元:株式会社エスエス製薬「足にむくみのある全国の女性1,000人に聞いた足のむくみに関する実態調査」より
リンパ液がむくみの原因であることを知っている方の割合は7割ですから、それに比べるといかに静脈血がむくみの原因として知られていないことが分かって頂けるでしょう。
しかし、このようにむくみを放置してしまうと静脈瘤など重症化してしまう恐れもあります。
もし普段よりもむくみが長く続くようであれば、一度専門医に相談した方がいいでしょう。
参考元:株式会社エスエス製薬「足にむくみのある全国の女性1,000人に聞いた足のむくみに関する実態調査」より
マッサージと生活週間の改善でむくみにくい体質に
今回ご紹介させていただいたように、むくみは様々な原因によって起こるものなのです。
そのため、一時的にマッサージでむくみを解消するだけでなく、生活習慣を少しずつ改善し、むくみにくい体にしていかなければ、むくみ体質は治らないのです。
今回ご紹介させていただいた解消法は今日からすぐにできるものがほとんどですから、是非実践してみてくださいね。
また、いきなりすべてをやるのは厳しいという方も、徐々に実践していくことでむくみ体質を徐々に改善していきましょう。
猫背は見た目を気にしている人だけでなく、猫背は肩こり、腰痛、いくら腹筋してもなかなかお腹がへこまないなどの原因にもつながっている場合が少なくありません。
これらが酷くなると、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
肩こり、腰痛の原因に!猫背解消に効果的な8つのストレッチとエクササイズ